高齢者の口腔
加齢による口腔の変化
加齢に伴い、身体の様々な部分に変化が起こります。口の中(口腔)も他の臓器と同じく、歯、歯肉、顎、唾液腺、口腔粘膜など加齢に伴い変化が数多くみられます。それぞれの変化を見てみましょう。
その中でも残存歯が減少つまり、歯の数が減っていきます。成人期に28本(親不知を除く)あった歯が70代後半には、平均10本以下まで減少してしまいます。一般的には20本以上の自分の歯があればほとんどの食べ物を噛みくだくことができ、美味しく食べられるといわれています。しかし、実際60歳前後より平均20本の残存歯がない状態です。つまり、60歳前後から、摂食に何らかの不都合が生じ、摂食量を減らす可能性があり、知らぬ間に栄養が取れない状態になっています。
また、その残存歯にも変化があります。長年、食べ物を噛んできた高齢者は、咬合面(歯の噛む面)がすり減り、長年の間違った歯磨きなどによっても磨耗しています。歯そのものの変化は、歯並びを変化させて、顎の動きや咀嚼にも影響があります。
それから、高齢者の虫歯は歯の根元にできるのが特徴です。咬合面はすり減りが見られます。
その中でも残存歯が減少つまり、歯の数が減っていきます。成人期に28本(親不知を除く)あった歯が70代後半には、平均10本以下まで減少してしまいます。一般的には20本以上の自分の歯があればほとんどの食べ物を噛みくだくことができ、美味しく食べられるといわれています。しかし、実際60歳前後より平均20本の残存歯がない状態です。つまり、60歳前後から、摂食に何らかの不都合が生じ、摂食量を減らす可能性があり、知らぬ間に栄養が取れない状態になっています。
また、その残存歯にも変化があります。長年、食べ物を噛んできた高齢者は、咬合面(歯の噛む面)がすり減り、長年の間違った歯磨きなどによっても磨耗しています。歯そのものの変化は、歯並びを変化させて、顎の動きや咀嚼にも影響があります。
それから、高齢者の虫歯は歯の根元にできるのが特徴です。咬合面はすり減りが見られます。
歯を失う最大の理由は歯周病
40歳以上の日本人の約80%は、歯周病にかかっているといわれています。そして、高齢期に歯を失う最大の理由が歯周病です。
歯周病とは、歯周病原細菌による感染症です。通常、生体の免疫作用によって活動を抑えられていますが、疲労やストレス、疾病などにより免疫力が低下し、口腔内の環境が悪化すると、歯周病も悪化します。歯周病が悪化すると歯の周辺組織にもダメージを与え、最終的には歯を失ってしまいます。
正常な食事には歯周病は大敵です。
歯周病とは、歯周病原細菌による感染症です。通常、生体の免疫作用によって活動を抑えられていますが、疲労やストレス、疾病などにより免疫力が低下し、口腔内の環境が悪化すると、歯周病も悪化します。歯周病が悪化すると歯の周辺組織にもダメージを与え、最終的には歯を失ってしまいます。
正常な食事には歯周病は大敵です。
誤嚥性肺炎は命にかかわる病気
加齢や病気により飲み込む機能や咳をする力が弱まると、多種多様の口腔の細菌や逆流した胃液が誤って気管に入りやすくなります。そうして誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)が発症します。寝ている間に発症するケースも多く、高齢者の場合、命にかかわるケースが少なくありません。
予防法は、口腔ケアをしっかりすること。歯や粘膜の清掃が重要です。同時に摂食嚥下機能を高めることが、誤嚥性肺炎の予防につながります。それから、健康な人であれば多少の誤嚥があっても発症しないので、口から食事をとり、良好な栄養状態でいることも誤嚥性肺炎の予防となります。
予防法は、口腔ケアをしっかりすること。歯や粘膜の清掃が重要です。同時に摂食嚥下機能を高めることが、誤嚥性肺炎の予防につながります。それから、健康な人であれば多少の誤嚥があっても発症しないので、口から食事をとり、良好な栄養状態でいることも誤嚥性肺炎の予防となります。
歯を失うことで咀嚼機能も低下します。
正常な歯で咀嚼する能力を100とすると、1本歯がないだけで、その能率は約半分に低下します。さらに2本~7本欠損した場合、7割ほど定価するという研究データがあります。また、総入れ歯の人の咀嚼能率は35.9%です。8本以上歯を失うと、肉や野菜を食べにくくなるため、ビタミンや食物繊維、鉄などのミネラルの摂取量も低下します。
口が渇くのは唾液が減少するため
約40%の高齢者は口の乾きを自覚しているといわれています。(口腔乾燥)加齢だけが唾液分泌の減少につながるとはいえませんが、ほとんどの高齢者が何らかの疾病を抱え、治療薬などを服用しているため、薬の影響でも唾液分泌量の低下につながります。唾液の役割は口腔内を湿らせて口腔粘膜や歯を保護しています。同時に、食べ物を噛んだり(咀嚼)、飲み込む(嚥下)、消化吸収を助けています。また、唾液で口腔の汚れを洗い流し、殺菌作用により口腔内を清潔に保ち、適切な環境を保っています。
唾液が減ることで、摂食そのものに影響があるだけでなく、口腔内の粘膜を傷つけ、それにより痛みがあり、食欲を低下させる恐れもあります。
唾液が減ることで、摂食そのものに影響があるだけでなく、口腔内の粘膜を傷つけ、それにより痛みがあり、食欲を低下させる恐れもあります。
年齢とともに変化する味覚
加齢により、舌が感じる味にも変化がおこります。
舌は、加齢とともに厚みが減少し、表面にある凸凹も減ります。味を感じる味蕾の数や感受性に変化があり、味覚が低下すると考えられます。また、唾液分泌が減少することにより、味覚が低下します。
そのほか、腸管吸収能が低下し、体内の亜鉛が不足することで、味覚障害を起こします。味覚を正常に保つためにも、栄養のバランスをとることが重要です。
舌は、加齢とともに厚みが減少し、表面にある凸凹も減ります。味を感じる味蕾の数や感受性に変化があり、味覚が低下すると考えられます。また、唾液分泌が減少することにより、味覚が低下します。
そのほか、腸管吸収能が低下し、体内の亜鉛が不足することで、味覚障害を起こします。味覚を正常に保つためにも、栄養のバランスをとることが重要です。
自分でチェック!「高齢者の口腔」
自分でも高齢者の口腔の変化が確認ができます。
以下の項目に心当たりのある方は高齢者特有の口腔の変化がみられます。
※お近くの歯医者で検診をお勧めいたします。
□ 歯の根元が黒くむし歯になっているようだ。
□ 歯が1本でも抜けている。
□ 差し歯やブリッジがあり、うまく歯みがきができない。
□ 歯肉がやせて、隙間がおおきくなった。
□ 口がよくかわく。
□ 歯をみがくと歯ブラシに血がつく。
□ 口臭がきになる。
□ 歯茎を押すとうみがでる。
□ 歯茎の周りにプラークや歯石がついている。
□ 舌苔がある。(舌が真っ白な状態)
□ 歯磨きを毎日していない。
□ 腫れや発赤、潰瘍がある。
□ 物をのみこみにくい。
□ 飲み込む前後や最中にむせたり咳き込んだりする。
□ 食べるのに時間がかかる。
□ よだれが出る。
□ 口から食物がこぼれたり、口のなかに残る。
以下の項目に心当たりのある方は高齢者特有の口腔の変化がみられます。
※お近くの歯医者で検診をお勧めいたします。
□ 歯の根元が黒くむし歯になっているようだ。
□ 歯が1本でも抜けている。
□ 差し歯やブリッジがあり、うまく歯みがきができない。
□ 歯肉がやせて、隙間がおおきくなった。
□ 口がよくかわく。
□ 歯をみがくと歯ブラシに血がつく。
□ 口臭がきになる。
□ 歯茎を押すとうみがでる。
□ 歯茎の周りにプラークや歯石がついている。
□ 舌苔がある。(舌が真っ白な状態)
□ 歯磨きを毎日していない。
□ 腫れや発赤、潰瘍がある。
□ 物をのみこみにくい。
□ 飲み込む前後や最中にむせたり咳き込んだりする。
□ 食べるのに時間がかかる。
□ よだれが出る。
□ 口から食物がこぼれたり、口のなかに残る。
自分で改善・予防「高齢者の口腔」
自分で高齢者の口腔に関する病気の改善と予防ができます。
□ 唾液が出やすくなるマッサージをしましょう。
□ 必ず食後に歯磨きをしましょう。
□ 正しい歯磨きをしましょう。
□ 差し歯やブリッジ、入れ歯の場合の歯磨き方法を知りましょう。
□ 定期的に歯医者さんに行きましょう。
□ 食後2時間ほど座って身体を起こし、逆流を防止しましょう。
□ 食事の際は前かがみの姿勢をとりましょう。
□ 食べ物を飲み込みやすくするために、舌を動かす体操や首を動かす体操をしましょう。
□ 唾液が出やすくなるマッサージをしましょう。
□ 必ず食後に歯磨きをしましょう。
□ 正しい歯磨きをしましょう。
□ 差し歯やブリッジ、入れ歯の場合の歯磨き方法を知りましょう。
□ 定期的に歯医者さんに行きましょう。
□ 食後2時間ほど座って身体を起こし、逆流を防止しましょう。
□ 食事の際は前かがみの姿勢をとりましょう。
□ 食べ物を飲み込みやすくするために、舌を動かす体操や首を動かす体操をしましょう。